明けましておめでとうございます。

 

 昨年の気候は、前半雨ばかり降っていたと思っていたら、

 

 夏は記録的な猛暑といった具合で、世界経済や日本の政治同様、

 

 不安定な状態が続く1年でした。

 

 今年はおだやかな天候を願うと共に、世界的な経済危機や、

 

 日本の政治的混乱から脱する足掛かりをつかめる年であって欲しいと思っております。

 

 

 日本では、社会の高齢化に伴い、悪性新生物(がん)と共に、

 

 心筋梗塞や脳梗塞で亡くなる方が増えてきています。

 

 心筋梗塞や脳梗塞を発症する原因となるのは、

 

 動脈壁が硬くなり狭窄してくる動脈硬化です。

 

 最近、各種のリスク因子による血管壁の慢性の炎症が、 

 

 動脈硬化を引き起こすと考えられるようになってきており、

 

 そのリスク因子の一つに歯周病菌や、肺炎クラミジア菌の感染があげられています。

 

 また、発がんの原因としても、慢性炎症が関与することが指摘されており、

 

 ピロリ菌感染による胃の慢性的な炎症が、胃がん発症の誘因になっているといわれています。

 

 

 眼科分野でも、高齢化に伴い増加している、

  

 加齢黄斑変性症、ドライアイ、糖尿病網膜症などの疾患で、

 

 その発症のバックグラウンドに慢性炎症の存在があることが指摘されています。

 

 テレビCMなどで最近注目されている加齢黄斑変性症では、

 

 肺炎クラミジアに感染した人でその有病率が高まっていることが報告されています。

 

 ドライアイに対しては、

  

 長年人工涙液やヒアルロン酸などの保湿剤の点眼が治療の主体でしたが、

 

 近年、炎症を抑える非ステロイド性抗炎症薬や、

  

 免疫を抑制して炎症反応を軽減するシクロスポリンの

 

 点眼剤が有効であると報告がなされるようになってきました。

 

 今後、各種眼疾患と慢性炎症の関連、更にそれを引き起こしている生体の免疫反応が

 

 注目されるようになっていくのではないかと思っています。 

 

   

 本ブログではこれからも、

  

 眼科領域における新しい情報を発信していきたいと思っておりますので、

 

 今年一年、何卒宜しくお願い申し上げます。

 

 

  

                                         院 長     中村 公俊

 

                                         副院長    野口 真由美

     

    

   

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