『眼瞼けいれん』と『片側顔面けいれん』のお話の続きです。
では、『眼瞼けいれん』、『片側顔面けいれん』の診断を受けた後、
どんな治療方法があるのでしょうか。
方法は、「薬による治療」、「手術による治療」があります。
◎薬による治療
☆ボツリヌス療法
この治療方法は、緊張している筋肉に緊張を和らげる薬(ボツリヌストキシン)を
注射することにより、けいれんや収縮の原因になっている神経の働きを抑え、
緊張しすぎている筋肉を緩める治療法です。
効果は、注射後2~3日で現れ、1~2週間程度で安定します。
注射の効果はおおよそ3か月と言われており、効果の期間には個人差があります。
また、薬の効きすぎで「目が閉じにくくなる」、「まぶたが下がる」などの
副作用が起こることがありますが、いずれも一時的なものですが、
医師と症状を相談しながら治療を行います。
ボツリヌス療法は、現在国内で『眼瞼けいれん』、『片側顔面けいれん』、『けい性斜頸』
などの5つの病気の治療方法として認可されており、保険適用されています。
この治療方法で、約80%の患者さんで症状改善がみられました。
☆内服による治療
『眼瞼けいれん』、『片側顔面けいれん』のいずれにも
「筋弛緩剤」、「抗てんかん剤」、「抗不安剤」などの内服薬を使うことがあります。
◎手術による治療
『眼瞼けいれん』には、まぶたが開きやすくなるように、
まぶたの筋肉や皮膚を短くする手術があります。
『片側顔面けいれん』では、耳の後ろの髪の生え際付近を小さく切開し、
顔面神経とその神経を圧迫している血管とを離して、
神経に対する刺激を遮断する手術があります。
◎その他
『眼瞼けいれん』では、上まぶたをおさえる「クラッチめがね」や、
遮光レンズが症状を軽減させることがあります。
『眼瞼けいれん』、『片側顔面けいれん』は、
視力を失ったり、命に係わる病気ではありません。
しかし、そのまま放っておくと症状が進行してしまう可能性があります。
顔の運動異常の症状が現れた際には、
ご自身で思い悩むのではなく、
まず、眼科、神経内科、脳神経外科などの専門医に診てもらい、
ご自身にあった適切な治療方法を相談して、
少しでも快適な生活を送れるようにしましょう。
お気軽に ご相談ください。