ドライアイの患者さんが眼科を受診される際、
「眼の乾燥感」を訴えて受診される方は少ないと言われています。
一番多い訴えは、「眼精疲労」です。
ドライアイは、大別すると2つのタイプになります。
1つは、涙自体の分泌量が少なく目が乾くタイプです。
このタイプは、少ししか出ない涙の量を補う人工涙液を点眼し、
眼表面の潤いを保つ治療法で様子を診ていきます。
点眼薬には眼表面に留まりやすいようにちょっととろみのある成分の点眼薬が用いられます。
が、最近 あまり涙の出る量が少ないタイプの方に高濃度のとろみのある点眼薬は
かえってべたつき過ぎて角膜に良くないことがわかってきました。
もう1つのタイプは、涙の分泌量は十分なのにドライアイの症状があるタイプです。
涙は3層からできていますが、一番外側は油の層で水分の蒸発を防ぐ働きがあります。
真ん中は水分の層です。
内側の眼の表面側にあるのがムチン層と言い、とろみがありサラサラと水分が流れず、
眼の表面に留まりやすいようになっています。
『涙液層破壊時間(tear film breakup time:BUT)測定法』という
ドライアイの検査方法があります。
これは 涙液の安定性を評価する方法です。
瞬きをがまんして頂き、角膜表面の涙液層が破壊されるまでの時間を測定する検査です。
涙液の保持力を判断する検査になります。
判断基準として、10秒以上保てると正常と判断し、
5秒以下で破壊されたときにはドライアイの疑いとします。
ドライアイの心配や眼精疲労がある場合は、お気軽にご相談ください。