加齢黄斑変性とVEGF(血管内皮細胞増殖因子)について
・新生血管が発生・発育して、血液や浸出液が漏れだす原因物質として
VEGFが見つかっています。
・VEGFは正常な血管を形成し、維持するために不可欠な物質ですが、
加齢黄斑変性では本来は必要のない血管を発生させるなど、悪い働きをします。
加齢黄斑変性の治療方法
現在行われている主な治療方法は3種類になります。
・中心窩の下に新生血管があるとき
■抗VEGF薬治療
VEGFの働きを抑える薬を眼球内に注射します。
新生血管の成長や、漏れ出る血液中の水分を減らします。
アイリーア®、ルセンティスによる治療も抗VEGF薬治療といいます。
■光線力学的療法(PDT)
光に反応する薬を腕の静脈から投与し、弱いレーザーを照射して、
新生血管を閉塞させます。
・中心窩から離れたところに新生血管があるとき
■レーザー光凝固
レーザー光線を新生血管のあるところに照射します。
新生血管の成長を止めることができますが、照射したところの網膜では、
ものが見えなくなります。
抗VEGF薬は新生血管の増殖や成長を抑えることで
視力を改善することが期待できます
■抗VEGF薬による治療法
アイリーア®、ルセンティスを眼球内に注射することで、新生血管の成長を抑え、
新生血管からの浸出液や出血を止めることにより、症状を改善する方法です。
◎当院でも抗VEGF薬による治療を行っております。
ご希望のある方は医師・スタッフに声を掛けて下さい。
〈抗VEGF薬による治療当日のながれ〉
①抗VEGF薬を注射する前に散瞳薬(瞳を開く薬)を点眼し、
局所麻酔薬*と抗菌薬も点眼します。
*注射による麻酔をすることもあります。
②目の周りを消毒します。
③器具を使って目開けます。
④白めの部分に注射針を刺して、眼球内にアイリーア®0.05mlを注射します。
注射針が入る感覚はありますが、痛みはほとんどありません。
⑤抗VEGF薬を注射した後に抗菌薬を点眼します。
抗VEGF薬注射の3日前から治療後の3日間は、感染を予防するため、
抗菌薬の点眼を行います。
抗VEGF薬による治療後の注意
■感染症を防ぐため、抗菌薬を治療後3日間は自宅で点眼します。
■次の症状が起きた時は、すぐに担当医にご連絡ください。
●目の痛みや熱感 ●めやに ●充血が悪化する
●そのほか いつもと違うと感じることがあったとき
■目のゴロゴロ感を感じることがあります。
時間がたてば気にならなくなりますが、続くときには、病院にご連絡ください。
■目にかゆみや痛みなどの不快感があっても、手でこすらないでください。
■洗顔・入浴・洗髪の開始時期については、担当医の指示に従ってください。
◎ブログ内の画像は参天製薬株式会社さんよりお借りしております。