遠くから目に入ってきた光が、網膜より後ろで像を結ぶ状態を遠視と言います。
原因により屈折性遠視と軸性遠視に分類されます。
○屈折性遠視
眼軸長は標準ですが、屈折力が弱いために起こる遠視を、屈折性遠視と言います。
○軸性遠視
眼軸長(角膜表面から網膜までの長さ)が正常より短いために遠視になっているものを、軸性遠視と言います。
小児の場合、ピントを調節する力が大きいので表面上は遠視を覆い隠してしまう場合があります。従って裸眼視力が良い場合があり、学校で行われる視力検査では遠視である事が分からない事があります。
遠視が強い場合は、視力の発達が抑制され弱視になったり、両眼で物を追わなくなって斜視になることもあります。
アトロピン等の調節力を麻痺させる点眼薬を使用して検査をし、遠視があれば適切な眼鏡を装用することが大切です。
視力の発達は9歳までと言われているので、早期発見が大切です。
成人の場合は、遠くを見る時も近くを見る時もピント調節が必要になるため、目が疲れやすくなります。特にパソコンやスマートフォンの普及により、近くを見る時間は長くなって、目に大きな負担がかかっています。
成人でも眼鏡やコンタクトレンズで適切に遠視を矯正する事が必要です。