「早く気づいて 加齢黄斑変性」の 最終章です。
『加齢黄斑変性』の治療方法
『萎縮型』か『滲出型』によって 治療方法は異なります。
1、『萎縮型』 ・・・ 現在のところ 残念なことに有効な治療方法は 確立していません。
『滲出型』に移行することがないか注意しながら経過をみていきます。
2、『滲出型』 ・・・ ①レーザー治療 ・・・ 中心部分から少し離れたところに
新生血管が生えてきた場合に行う
②光線力学療法 ・・・ 中心部に血管がある場合にも
行われるようになった比較的新しい治療法
③薬物療法 ・・・ 中心部の治療で 早期から治療できる方法
①レーザー治療
新生血管に対して 非常に強いレーザー光線を照射して、
新生血管を焼きつぶしてしまう治療法
ただし、新生血管の上の正常な網膜、
あるいは視細胞にもレーザー光線が照射されることになるので、
そこも一緒に焼きつぶされてしまうので、暗い点ができてしまう問題あります。
そのため 中心部(一番視力の良いところ、物を見ようとした時の中心)には
できないということになります。
②光線力学療法
「光感受性物質」という薬剤を 点滴で投与します。
新生血管に集まりやすい性質のある薬で、
15分位して目の新生血管に集まったのを見計らって
非常に弱いレーザー光線を中心部に照射します。
「光感受性物質」は 非常に弱い弱いレーザー光線に対して反応して
新生血管を詰まらせるような働きがあり、
レーザー光線で この上の視細胞が焼けてしまうことはないので、
比較的安全に治療ができます。
比較的初期の患者さんの場合ですと、
歪みは強いけれども 視力が良い場合があります。
そのような場合 光線力学療法を用いますと、
かえって視力が落ちてしまうことがあります。
③薬物療法
新生血管がどんどん生えてきて成長していく時に
『VEGF (血管内皮増殖因子)』が
非常に大切な役割を果たしています。
新しい薬は VEGFを抑えるような働きがある 抗VEGF薬です。
この薬を 目に点眼麻酔をした上で 目の中に注射をして
VEGFの働きを抑えることによって、
新生血管を抑える投与方法としては、最初は 月1回程度 3回位注射をし、
その後は症状に応じて適時追加する場合があります。
この方法では 視力が改善するということも 早期であればあります。
副作用としては、一時的に緑内障になったり、
あるいは 脳梗塞を起こす場合があるので、
元々緑内障や脳梗塞のある方には、慎重な投与が必要となります。
◎日常生活で注意すること
・タバコを吸わない ・・・ 喫煙は発症要因が高まってくる
・緑黄色野菜をとる ・・・ 最近の報告で 緑黄色野菜に含まれているビタミンA・
C・E が予防効果があるとわかってきている
☆見ようとする中心に歪みや、薄暗さを感じた際は、早めに眼科専門医に相談しましょう。
当院にも 病気の説明をまとめたパンフレットをご用意させて頂いております。
ご希望の方は、お気軽にスタッフに声をかけて下さいね。