『一過性黒内障』の症状は、片眼の視力が急に低下し、その症状が数秒から数分続きます。
この一過性の視力低下は数時間続くこともありますが、いずれも視力は正常に戻ります。
『一過性黒内障』の原因は、 内外頸動脈の分岐付近に脂肪やコレステロールがたまって
「アテローム」と呼ばれる腫瘤ができ、それが血管内壁からはがれて血栓となり、
眼に血流を供給する眼動脈に流れていくと、
網膜の血行が途絶えて一過性に片目が見えなくなります。
このような血栓は、粉々に砕けて流れ去ったり、溶けて消失してしまうため血流が再開し、
症状が一過性で済むわけです。
「片目が見えなくなる」という症状のため、
患者さんは最初に眼科を受診することが多いのですが、
原因は、糖尿病、高脂血症といった生活習慣病や、動脈硬化による頸動脈疾患ですので、
内科での詳しい検査や治療が必要になります。
眼の虚血の原因を明らかにしたうえで、血栓による塞栓を避ける目的で、
内服薬が処方になります。
「一過性の片目の視力低下」があった方は、かかりつけの内科の医師や、
眼科の医師に、早めにご相談ください。
血栓が脳の血管に流れて行った際には、脳卒中症状を起こしてしまうわけですから、
全身の管理がとても大切です。