「黄斑」は 網膜の中心部にあり、1.0,1.2,1.5の視力を出す大変重要な部分です。
また「黄斑」は、色が判り、物の形を鮮明にとらえる機能があります。
「加齢黄斑変性」はこの黄斑の病気で、
黄斑の機能が加齢等の原因により障害される病気です。
加齢黄斑変性とは?「萎縮型」と「滲出型」の2つのタイプがあります
「加齢黄斑変性」は、脈絡膜から発生する新生血管(脈絡膜新生血管)の有無で
「萎縮型 dry type」と「滲出型 wet type」の2タイプにわけられます。
《萎縮型》
網膜細胞が加齢により変性し、網膜化に網膜の老廃物が蓄積して栄養不良の状態になり
網膜の組織が徐々に萎縮していきます。
症状は軽度で、進行も緩やかで視力もすぐに悪くなりません。
しかし、時間の経過とともに新生血管が発生し「滲出型」に移行することもあります。
《滲出型》
脈絡膜新生血管が発生し、出血などにより網膜が障害されて起こるタイプです。
新生血管は非常にもろく破れやすいため、出血を起こしたり、血液中の成分が漏れたり
して、急激な視力低下の原因となります。
そのため「滲出型」は進行が速く、急激に視力が低下していきます。
画像は 参天製薬株式会社さんよりお借りしました
どんな症状が起こりますか
・変視症 - ものがゆがんで見える
・中心暗点 - 見ようとする中心が見えない・暗く感じる
・視力低下 - 見たいものがはっきりと見えない
・色覚異常 - 色の区別がつきにくい
こんな症状がありましたら、早めに眼科を受診しましょう。
「加齢黄斑変性」は、欧米では中途失明原因第1位の病気です。
近年日本でも増加しており、日本の中途失明原因の第4位になりました。
国内の推定患者数は2007年では約69万人と言われています。
加齢黄斑変性はなぜ起こるの?
病名に「加齢」がつくことからも推測できますが、年齢が高くなると発症しやすくなります。
特に「黄斑」や「網膜色素上皮細胞」などの老化現象が、主な原因と考えられています。
また喫煙者は、発症する頻度が高いことがわかっています。
加齢黄斑変性の主な原因
・遺伝 ・家族歴 ・高血圧 ・肥満 ・食事(高脂肪食) ・喫煙
・光線障害(紫外線・ブルーライト) ・老化現象
また原因のひとつとして、眼底組織への酸化ストレスがわかっています。