「加齢黄斑変性症」について、続けて記事を書かせて頂いておりますが、
今日は「原因」について、書きたいと思います。
「加齢黄斑変性症」の治療の目的は、
治療を開始した時点での 視機能を保ち、
進行を抑えることになります。
一度障害された黄斑部の機能を修復して、
回復させる手段はないのが現状です。
そこで、病気の原因を知って予防をする方法の研究が、
各国でされています。
「加齢黄斑変性症」は、高齢の方に多く発症することから、
黄斑部:網膜中心部分、特に網膜色素上皮細胞の
加齢による老化現象が主な原因と考えられています。
また、はっきりとしたことはわかっていませんが、
高血圧、心臓病、喫煙、栄養状態(ビタミン、カロチン、亜鉛などの不足)、
遺伝などの関与も報告されています。
が、原因、病態は完全には解明されてはいません。
現在も様々な研究がされています。
抗酸化ビタミン(ビタミンE、ビタミンC、βーカロテン)と亜鉛を一緒にとると、
加齢黄斑変性症進行阻止に有効であることが発表されています。
アメリカで行われた臨床試験で、
55歳から80歳の初期・中期・後期の
加齢黄斑変性症患者を無作為に4つのグループA~Dに分けて、
医師にも患者にも先入観を持たせないように
成分を知らせず、異なるサプリメントを投与しました。
4つのグループ
A : 亜鉛 80g
B : 抗酸化ビタミン
ビタミンE 400IU
ビタミンC 500mg
βーカロテン 15mg
C : 抗酸化ビタミン
ビタミンE 400IU
ビタミンC 500mg
βーカロテン 15mg
亜鉛
D : プラセボ…栄養素を含まないサプリメント
この臨床試験の結果、
高用量の「抗酸化ビタミン」と「亜鉛」を、
両方一緒にとったグループCは、何もとらなかったグループDに比べて
加齢黄斑変性症の進行や視力低下のリスクが
25%軽減したと発表されました。
しかし、喫煙者の高用量のβーカロテン摂取(20mg/日 以上)には、
肺がんのリスクがあるという別のデータがありますので、
高用量の抗酸化ビタミン、亜鉛の摂取に際しては、
まず医師に相談しましょう。
生活の中で気をつけていきましょう
★ 規則正しい生活を心がけましょう
☆ 喫煙を控えまえしょう
★ 太陽光線から眼を守るためのUVカットのメガネやサングラスを使いましょう
☆ バランスのとれた食事を心がけましょう
★ 活性酸素の悪影響を軽減するビタミン
(ビタミンE、ビタミンC、βーカロテンなど)や
ミネラル(亜鉛、セレン、銅、マンガンなど)を
含む食品を積極的にとりましょう