今回は『子供の眼の特性』と、
『その特性ゆえに周りの大人が気をつけてあげたいこと』について、
仁科幸子医師(国立成育医療研究センター病院・眼科)のお話をまとめてみました。
◎子供の視力は 生後すぐだと 0.01、1歳で 0.1、
3歳で急速に発達し 1.0 認識可能になり、
大人と同じに安定した眼の状態になるのは9歳頃と言われている。
◎子供が見やすい距離は 1歳 ・・・ 30cm 2歳 ・・・ 20㎝
◎眼が悪いかもしれないサインは、
『テレビ画面に顔を摺り寄せる』
『眼を細める』
『変な姿勢で見る』
◎テレビを見る距離 画面の縦の長さの3倍ぐらい(2mくらい)離れてみる
◎3Dゲーム、映像は 小学生以降が望ましい。
6歳までは両目で見ることが未熟な子がいるので、
ずっとそればかり見ていると斜視になることがある。
◎テレビを見るときには、つけっぱなしでなく、親が時間を決め子供のペースを作ってあげる。
『30分見たら10分休む』などし、
外で体を動かすなどしていろんな刺激を取り入れ発達を促す。
◎近視は遺伝と環境の二つの要因がある。
アジア人は近視が多い。 でも遺伝だけでは決まらない。 現在近視予防法はない。
一度近視になると治らない。
◎小さな子供の場合、強い遠視、乱視に気を付ける。
弱視に注意。
網膜に適切な刺激が入らず視力が育たなくなるのが弱視。
3歳で発見され、治療開始すれば、就学前までに治療ができる。
◎弱視の原因
黒目の濁り、眼帯、先天白内障は 視性刺激を遮断する原因となるので弱視になる。
斜視が原因
強い遠視、乱視
結膜炎、眼のけが、角膜の傷が、完治していないと適切な刺激を遮断して弱視になる。
ひどい結膜炎やけがの場合眼科でよく見てもらう。
◎近視の進行を遅らせるのは 外遊び。
外遊びの長い子供ほど近視の進行遅れる。
体を動かし外で遊ぶのがいいのかなと。
◎薄暗いところの読書は、眼にバランスの良い刺激が入りずらい、ピントが合わせにくくなる。
そうなると近視になりやすくなる。
◎紫外線は人にとってよくない。子供の病気によっては遮光グラスが必要なケースもある。
◎眼科受診が必要かもしれないケース
『眼が揺れる』、『光を嫌がる』、『猫のように目が光る』、
『片目だけ方向がおかしい』、『片目を隠すと極端に嫌がる』
◎大きくなってから
眼を頻繁にこする、極端に近づいてテレビを見る、見るとき顔を傾ける
お子さんのしぐさや見方で気づかれたことがあれば、お気軽にご相談ください。