コンタクトレンズをつけた状態で、
近くを見る作業をしていると眼が疲れることはありませんか。
人間の眼は 遠くのものを見るときと、近くのものを見るときとでは、
目の中にある水晶体(凸レンズ)の厚さを変えて、
それぞれにピントを合わせて見ています。
近くのものを見る際に、毛様体筋と呼ばれる筋肉を使い
水晶体を厚くして近くのものにピントを合わせるようにしています。
しかし人間の眼は20代から徐々に水晶体が硬くなり、
厚さを変えようとしても変えられなくなってきます。
そうなると、自分の眼だけでは
遠くも近くもすっきり見ることが難しくなってきます。
20代の頃は、コンタクトレンズの度を遠くがはっきり見える状態に
合わせても近くも10~13cmまでピントを合わせることができます。
しかし年齢が上がると、30代では13~20㎝、40代では20~50cm、
50代では50cm~1m、60代では1m以上離さないと
近くにピントを合わせることができなくなってきます。
「近視の人は老視にならない」と誤解されている方もいらっしゃいますが、
近視の人も老視になります。
近視の人は、もともと矯正しないと焦点が手元にあるので、
調節の年齢的低下を感じにくいだけです。
では、コンタクトレンズを使っていて近くが見えづらくなってきたら
どうしたらよいのでしょうか。
①まだ30代後半、40代位までは、遠くの視力を少し落とすプラス側の度数にして、
近くも楽に見やすくする方法で乗り越えるケースがよくあります。
②また「モノビジョン」という方法があります。
これは、利き目は遠くにピントが合う度数にして、もう片眼をプラス側の度数にし、
遠くと近くを別々の眼を使ってみる方法です。
③また遠近両用のコンタクトレンズにレンズタイプを変える方法があります。
でも遠近両用は決して20代の時のような見え方が戻ってくるわけでなく、
現在使っている1ヵ所にだけピントが合って他は見えにくい状態から、
遠くもそこそこ7割位、近くもそこそこ7割位見える状態になるイメージです。
④あともう1つ。コンタクトレンズは遠くまたは近くのどちらかにピントを合わせ、
もう一方の方を見るときは、眼鏡をかけることにより矯正する方法です。
これは眼鏡の掛け外しの手間がかかりますが、
シンプルで目的別にはっきりと見えてストレスが少ない方法かもしれません。
この近くが見えにくくなり不自由を覚える頃に
矯正方法を、コンタクトレンズを止め、眼鏡だけに切り替える方が
増え始めます。
いろいろ悩みつつ、方法を考えつつ、快適な見え方を模索するお年頃です。
当院でも相談にのることができる年代のスタッフがおりますので、
お気軽にご相談ください。
(経験者としていろいろお話できると思います。)