レーシックとは 「屈折異常の矯正手術」のことです。
レーザーを使って角膜を削ることによって眼に入る光の焦点距離を変えて、
ピントを網膜に合わせ視力を回復させます。
日本では 20年ほど前から行われるようになった手術です。
手術方法は、角膜をレーザーで削ることにより、
屈折度を変えて近視・遠視・乱視を矯正します。
一度削ってしまった角膜は元に戻すことができないので、
手術前には詳しい眼の検査を行います。
角膜の厚さも限られていますし、どこまで削って大丈夫なのかという問題もありますので、
レーシックの前には、適応検査を受けます。
適応検査の内容は、
①屈折検査(オートレフラクトメータ)
オートレフラクトメータを使い近視・遠視・乱視の強さを測ります。
術前にはサイプレジン(調節麻痺剤)を点眼し、
ピントを合わせる力を取り除き、本来の屈折度をより精密に検査します。
②視力検査
裸眼視力と矯正視力を測定します。
一般的に40歳を過ぎると老眼が始まるため、近方視力も測定します。
③角膜形状解析
角膜の屈折力の分布をコンピューターで解析します。
④波面センサー
眼球すべてのひずみ(近視・遠視・正乱視・不正乱視)を波面を用いて検出します。
⑤眼圧
眼の硬さを調べる検査です。
レーシックの適応外である「緑内障」を発見するために測定します。
⑥角膜内皮細胞検査
角膜は5層の細胞の層でできていますが、
その最も内層にあるのが角膜内皮細胞です。
この細胞は角膜の透明性を維持するのにとても重要です。
細胞数が減少し一定数を割ると角膜は混濁します。
レーシックでは内皮細胞にほとんど影響を与えませんが、
手術が不可能なほど細胞数の減少がないか把握します。
⑦角膜厚検査
近視を矯正するためレーザーにより角膜を削ると、角膜中央部は薄くなります。
そのため事前に角膜の厚みが十分にあるかどうかを測定します。(最重要項目です)
⑧瞳孔検査
グレアを避けるためには、
瞳孔の大きさと照射径(レーザーを当てる範囲)の関係が重要です。
⑨涙液検査(シルマーテスト)
涙の量が少ないと、角膜の傷の治り方に大きな影響がでます。
そのため、術前にドライアイの有無やその程度を把握する必要があります。
⑩細隙灯顕微鏡検査
網膜、角膜、水晶体などに異常がないかを確認します。
炎症やドライアイなど異常がある場合は、まず治療を行います。
⑪眼底検査
網膜や視神経に異常(疾患)がないか確認します。
⑫血液検査
手術に際し、全身の必要な情報を得るために行います。
レーシック2に続きます。