2012年5月21日(月)の午前6時台から9時ごろまで、日本全域で日食が観察できます。
なかでも、九州地方南部から関東地方付近にかけての帯状の範囲では、
太陽の中央部が月に隠されて太陽がリング状に見える「金環日食」になります。
日本で「皆既日食」が見られるのは、今回を逃すと2035年9月2日になります。
(この時は、中部地方の一部、関東地方の北部で観察することができます。)
各地の学校でも、自然・科学への学習を深める機会として、
宇宙における地球・月・太陽の位置や運動を実体験できる機会として、
観察会が行われるようです。
日本眼科学会でも、眼の事故がなく、日食を安全に観察して頂くために、
ホームページに日食の観察方法や注意点をまとめています。
太陽の光は非常に強く日食の観察には眼の危険が伴います。
誤った観察の方法で太陽を見たり、直接太陽を見つめてしまったりすると、
『日食網膜症』と呼ばれる眼の障害につながります。
『日食網膜症』とは、不適切な方法による日食の観察で起こる眼の障害の総称です。
一過性で軽快する症例から、永続的な視力低下に至る症例まであります。
観察直後は異常がなくても、『数時間後に目が痛む』、『視野の真ん中に影が生じる』、
『ものが歪んで見える』、『視力が低下する』といった症状が出ることもあります。
また、太陽がリング状に見える最も注目の時間帯は、
午前7時半ごろで、朝の通学時間と重なります。
通学途中の道路上などでそのまま太陽を観察し、眼を傷める心配もありますが、
交通事故にあう可能性も高くなりますので二重に注意が必要です。
また 太陽がリング状に見える継続時間は、国内最長の地点でも5分程度です。
(松本市では完全なリングは観察できませんが)
日食の始めや終わりの時刻、日食の進み方、リング状に見える継続時間は、
観測地点によって異なりますので、予報を調べておきましょう。
『日食網膜症』を予防するためには、『直接太陽を見ない』、
『太陽観察をするために開発・製造された専用フィルター付きの器具を使う』、
『ピンホール効果の原理で紙に映った太陽を観察する』、
などの方法で観察することが大切です。
専門家によって適切な減光を施されていない普通の双眼鏡や望遠鏡を使うと、
網膜に焦点が合ってしまい、永続的な視力障害が起こる危険性がありますので、
絶対に普通の双眼鏡、望遠鏡では観察しないようにしてください。
日食の観察方法は、日本眼科学会、国立天文台のホームページにて
安全な方法が紹介されていますので、確認をしてみて下さい。
眼の安全に気をつけて、天体ショーを体験しましょう。未来の宇宙飛行士の皆さん!!