流行性角結膜炎は、アデノウィルスの感染によっておこる結膜炎です。
暑い時期はウィルスの活動性も高まるので、夏に患者さんが増えます。
長野県内でも6月の終わりから、流行性角結膜炎に罹る人が増えてきています。
長野県感染症情報より、長野県内3定点合計人数をグラフにしました(週報告を月単位に変更してあります)。参考にして下さい。
<症状>
7~14日の潜伏期の後に発症します。発症の3日前から、感染力は非常に強くなります。
濾胞性結膜炎(まぶたの裏のブツブツ)による異物感、流涙に近い眼脂、結膜の充血・腫脹、耳前リンパ節腫脹・圧痛を訴えます。
発症後、1週間頃に炎症は最も強くなり、2週間目には軽快に向かいます。
<治療>
アデノウィルスに有効な抗ウィルス薬はありませんが、重複感染(ブドウ球菌など)を起こさないために、抗菌点眼薬を使用したり、結膜偽膜を伴う重症例や角膜点状上皮下混濁に対してステロイド点眼薬を使用します。
休養を十分にとって、体力を落とさないようにします。
結膜炎が治っても、角膜に混濁が出現している場合がありますので、勝手に判断して点眼薬をやめないようにします。
<感染を広げないために>
・石鹸を使い、しっかりと手洗いを行います
・涙液を拭くときは、ハンカチを使用せず、ティッシュペーパーなど1回ずつ捨てることの出来るものを使用します
・タオルは家族が使用するものと別にします
・アデノウィルスは乾燥に強いので、洗濯物は家族と別にします。煮沸出来るものは煮沸消毒をします
・お風呂は最後に入ります。ウィルスが蛇口や浴槽に付着している可能性があり、湯を介して感染する可能性もあります。入浴後はすぐに湯船の水を捨て、よく洗い流すようにします。銭湯に行く事は控えてもらいます
・10日間程度は人ごみを避けてもらいます
・1ヶ月程度はウィルスが便から検出されることもあるので、プールでの流行にも注意が必要です
・学校保健法で、医師が感染のおそれがないと認めるまで、出席停止が義務付けられています