新型コロナウイルスが流行していることもあり、先日からコンタクトレンズの定期検診などでコンタクトをつけ外しする患者さんに、着脱前に加え、着脱後の手洗いを必ずお願いするようにしております。目の涙液が指につき、そのままあちこちに触れることで病原菌を媒介するリスクがあるからです。
手洗いの回数を増やしてしまい、お手数をおかけしますがご協力お願いいたします。
今回は病原菌の媒介によるうつる目の病気ということで結膜炎のお話をさせて頂きます。
結膜とは白目の表面からまぶたの裏側までを覆っている粘膜のことで、眼球運動を円滑にする役割、外部と眼球内部を隔てる役割を担っています。
結膜はまぶたの裏側から眼球前面をつないでいるため、丁度袋のような構造になっており異物が溜まりやすい状態になっています。さらに常に涙という水分があり、かつ適当な温度と栄養があるため細菌やウイルスが繁殖しやすい環境になっています。
また内臓とは違い、目を開いている間、結膜は直接外部にさらされている状態になっていることもあり結膜炎は必然的に起こりやすい病気であると言えます。
症状としては白目の充血、目ヤニや涙の増加、かゆみ、しょぼしょぼもしくはゴロゴロした感じ、羞明(まぶしさ)などがあらわれます。ひどくなると、まぶたの腫れ、白目のぶよぶよした状態、耳の前のリンパ腺の腫れ、発熱などが生じてくることもあります。
原因はウイルス、細菌、またアレルギー反応によるものがあります。アレルギー性の場合は免疫反応によるものなので感染の心配はありません。ウイルス性・細菌性による結膜炎は人に感染させてしまう可能性があるので感染予防をしていく必要があります。
下記に示すのは具体的な感染予防の方法です
・目をこすったり触ったりしない。目を触った手でいろいろな場所に触れない
・石鹸でこまめに手洗いをする
・洗面器やタオルは家族と別にする
・洗濯は家族と別々にする
・涙や目やにを拭く時はティッシュペーパーを用い、ビニール袋にまとめて入れてから捨てる
無意識に目を触ってしまうということはよくあることだと思います。結膜炎になってしまった時は感染を広げないように、いつもより目に触れることに対して意識をするようにしましょう。コンタクトレンズ使用の方は目がおかしいな?と思ったらコンタクトレンズを外してしっかり手洗いをしてください。装用の可否については眼科医に確認をしましょう。
まだ十分なデータは無いものの新型コロナウイルスの初期感染症状で1~3%程度に結膜炎が起こると言われています。ウイルス・細菌を広げないため、また結膜炎にならないために手洗いを心掛けていきましょう。