結膜には眼球の白目にあたる眼球結膜と、瞼の裏にあたる眼瞼結膜と呼ばれる箇所とがあります。
結膜炎は、結膜が赤くなり炎症が起きる病気ですが、最近、結膜炎で受診される方が多く、小さなお子様では保育園、幼稚園で流行っているというお話を伺います。
結膜炎にはウイルスや細菌等によって起きる感染性のものと、アレルギー性や自己免疫性など非感染性のものがあります。ウイルス性結膜炎は細菌性結膜炎に比べ感染力が高いです。
感染性の結膜炎については以下の通りになります。
《細菌性結膜炎》
黄色ブドウ球菌、インフルエンザ菌などの身近に存在している菌により発症します。
目やに、充血などの症状が出ます。
ウイルスに比べ感染力は弱く、抗生物質の点眼薬で治療を行います。
《ウイルス性結膜炎》
1.流行性角結膜炎
一般にはやり目とも呼ばれています。
アデノウイルスに感染してから1~2週間の潜伏期間を経て、発症します。
目やに、充血、ごろつき、涙などの症状が出ます。瞼や耳前リンパ節が腫脹したり、角膜の混濁によって見えづらさを訴える場合もあります。
2.咽頭結膜熱
プール熱とも呼ばれています。
アデノウイルスに感染してから5~7日の潜伏期間を経て、発症します。
目やに、充血以外に、のどの痛み、発熱などの症状が出ます。
3.急性出血性結膜炎
エンテロウィルスに感染してから1~2日で発症します。
眼球結膜に出血を起こし、目やに、充血、ごろつきなどの症状が出ます。
ウイルスは細菌よりも小さな微生物です。ウイルスには有効な点眼薬がありません。
感染の際には、ウイルスに対する抵抗力をつける為、十分な休養などを取りましょう。炎症を抑える為にステロイド点眼薬や、細菌などの感染を防ぐ為に抗菌点眼薬を使用することがあります。
治療中は、以下のことに注意をしましょう。
①普段から手を流水や石鹸でよく洗う
②タオル、洗面用具などは家族のものと別にする
③プールには医師の許可があるまで入らない
④休養をとって体力をおとさない(ウィルスに対する抵抗力をつける)
⑤人混みには出かけない
⑥学校・幼稚園・保育園は医師の許可があるまで休む
まずはウィルス感染に気をつけることが大切ですが、感染してしまった際は、他の人に感染を広めないように気をつけましょう。
コンタクトレンズを使用されている方は、治療中、コンタクトレンズの装用の中止をすすめています。ご自身に合ったメガネを持っていないというお話を伺うこともありますが、目の為に、必ず今の自分に合ったメガネを用意して下さい。